アンティークのニードルワークツールに魅せられて (小倉ゆき子コレクション)
小倉ゆき子
内容紹介
小倉ゆき子先生がお気に入りで集めたアンティークのニードルワークツールコレクションの数々と、
インスピレーションを受けて生まれた先生の作品を紹介します。
ニードルワーク(針仕事)のお道具は、
世界中にそれぞれの文化により、いろいろなものがあると思います。
そんな中、特にヨーロッパのアンティークの道具類は、
ひとつひとつがとても凝っていて、実用とはかけ離れたものも多く見られます。
針仕事も、お楽しみのひとつとして上流社会の方々にも庶民にもあったからこそ、
いろいろなタイプのものが残されていると思われます。
私は研究者ではありません。
アンティーク?ヴィンテージ?それぞれの道具がどちらなのか、私には分りかねます。
しかしどれも、作られてからそれなりの年月を経ている事は確かで、
当然、今作られたものではありません。
この度ご紹介するものは、ある時期、私がとても興味を持って集めたものの中から選びました。
締め切りに追われて忙しく針を持ってきた私には、針仕事を楽しむ、
とてもそんなゆとりはありませんでしたが、せめて気持だけでも……。
針を持つ時間が楽しくなるようなお道具は西洋アンティークならでは、と思います。
私が魅せられたお道具を9種類、選びました。
ピンクッション(pin cushion)
テープメジャー(tape measure)
ピンホルダー(pin holder)
シンブル (thimble)
ニードルホルダー(needle holder)
ニードルブック(needle books)
ニードルワーク・ツールケース(needle work tools case)
ハサミ(scissors)
シャトレーヌ(chatelaines)
刺しゅうを含んだ針仕事は、まだまだ種類も多く、それに使う道具も、それぞれあります。
その中で、私自身が長い間ニードルワークの仕事に携わっていて、一番興味を持ったものに絞りました。
しかし、私が一番必要で重要だと思っているのは装飾的な美しい道具ではなく、
絶対に使いやすい、よく切れるハサミと針のいろいろです。
ニードルワークですから、ニードル(針)がなければ始まりません。
装飾的で、実際にあってもなくてもよいものは、別の意味でとても重要だと思っています。
それは、わけもなく楽しくなったり嬉しくなったりするものです。
ニードルワークツールも、あれこれあっていいですね。
著者について
小倉/ゆき子
桑沢デザイン研究所卒業。子供服のデザイナーを経て、手芸作家に。刺しゅうを中心に、ニードルワークの分野で活躍中。その自由でエレガントな作風に、ファンが多い。フランスのテキスタイルアーティストであるファニー・ヴァオレとのフランスと日本での二人展など、国際的な活動が注目を集めている。国内での個展も数多く開催。
「リボンでつくる花のアクセサリー」(NHK出版)、「リボン刺しゅうの基礎BOOK」(日本ヴォーグ社)など著書多数。